Film6.「フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン」
- セトダイスケ
- 2018年3月29日
- 読了時間: 4分

原題 Frankenstein vs.Giant Devil Fish
製作年 1965年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 90分
監督 本多猪四郎
特撮監督 円谷英二
脚本 馬淵薫
製作 田中友幸
撮影 小泉一
ニック・アダムス
高島忠夫
水野久美
ピーター・マン
土屋嘉男
<あらすじ>
1945年第二次世界大戦中、フランケンシュタイン博士が発明した死ぬことのない心臓は秘密裏に日本に運び込まれていた。終戦を迎え15年後。広島衛戍病院で細胞組織の再生を研究しているボーエン博士と川地、戸山李子の三人は、家畜やウサギを襲って生活をしていた謎の野蛮な青年と出会う。同時に秋田油田ではバラゴンが出現。どんどん巨大化する青年はとあることより施設を逃走、富士山麓に潜んでいる時にバラゴンと遭遇する。。
特撮度★★★★☆
カルト度★★★★☆
<感想>
今回は初めて邦画作品を紹介!
特撮好きの中では知る人ぞ知る、いや知らない人はいないであろう
「フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン」
監督 本多猪四郎 、特技監督 円谷英二、音楽 伊福部昭!ゴジラを作ったスタッフ陣によって製作された東宝特撮のゴールデンエイジの作品です。当時、ヒールからベビーフェイス化したゴジラに対して、よりダークに、よりテーマ性を!と、大人でも楽しめるまた違う特撮の模索が行われています(と言われても、私が生まれる前の話ですがw)
平成ゴジラシリーズを見て育った私としては、今作を見るまで、巨大化したフランケンシュタインが地底怪獣と戦うという内容のアホくささw、メイクした人間が怪獣が戦うというビジュアルのチープさからかなり慊焉してましたw。むしろ、フリ切ってる「サンダ対ガイラ」の方が興味があったくらい。でも、見てみますと、ゴジラシリーズにはない特撮の魅力に満ちてるんですねぇ。
なんといっても絶妙なサイズ感ですね。
ゴジラは巨大さを現すためにビルと対比され時代とともに巨大化する傾向にあります。初代ゴジラが50m、84’ゴジラが80m。シン・ゴジラはなんと100m。そんなゴジラがビルの間を闊歩する姿は精悍ではあるんですが、もうそんな巨大化しちゃうと人間がどうできる問題じゃなくなりwドラマ的にも絵的にも怪獣と人間の関わりが希薄になっていきます。フランケンシュタインは人間サイズから成長し最長でも40m!途中、建物の間をひょいひょいと動き回ったり、森の中で罠を使ってイノシシを捕まえようとしたり、団地の窓から水野久美を覗き込む姿は恐怖と哀愁が入り混じる屈指の名シーンとなってます(劇場版の進撃の巨人にもオマージュシーンあり)このように、人間と怪獣とのドラマ的関わり、特撮による生々しい恐怖感。怪獣映画に失われていたものを取り戻すことに成功しています。
頭にネジが刺さってるフランケンをイメージしていると、今作の似ても似つかぬフランケンの・・・しかも謎に巨大化していくフランケンの姿を見ていると妙なパチモン感が漂ってるんですがw(フランケンシュタインは博士の名前で怪人の名前じゃないってはおいといて・・・)しかし、悪意もなく、巨大化して変に目立ち、人間に恐れらていくフランケンの不憫な姿は、本家に通じる怪人の哀愁と悲哀を感じさせます。かわいそう〜〜

信頼する水野久美のもとを訪れるフランケン
この作品エンディングが2つあるという事でも有名で、公開当時は富士山麓でバラゴンを倒した後に地殻変動が起きて地面が割れて落ちて行くという唐突なエンディング。しかし、数年後テレビに放送された際に流れたものは、バラゴンを倒した後に湖より巨大タコが出現w湖に引きずりこまれるという、より唐突な謎エンディングw。当時、ファンの間では作品が日米合作映画のためアメリカ版のエンディングに違いないという話になったのですが、アメリカ版でも巨大タコは出てこなかったらしく・・・じゃあ、タコエンディングは何やってん?という話ですがw結局結論は出てないようです。ちなみに今回見たDVDに収録されていたのはタコverでした。
とまぁ、こんな感じですがw
続編とされてる「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」は今作を凌ぐカルト作品とされており、2012年のアカデミー賞で壇上にあがったブラッドピッドがサンダ対ガイラについて熱く語ったことでも知られている。ので、こちらも是非ご鑑賞のほどをw
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