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Film5.「ハードコア」

  • 執筆者の写真: セトダイスケ
    セトダイスケ
  • 2018年3月23日
  • 読了時間: 4分

原題 Hardcore Henry

製作年 2016年

製作国 ロシア・アメリカ合作

配給 クロックワークス

上映時間 96分

映倫区分 R15+

監督 イリヤ・ナイシュラー


キャスト

シャルト・コプリー

ヘイリー・ベネット

ダニーラ・コズロフスキー

アンドレイ・デミエンティエフ

ダーシャ・チャルーシャ







<あらすじ>

絶命寸前のところをサイボーグ化することによって命をとりとめたヘンリー。研究所で目覚めた彼の前には妻で研究者であるエステルが。しかし、奇妙な超能力を使うエイカンという男に誘拐されてしまう。道中出会った謎の男ジミーと共に、真実と拐われた妻を追う。


監督は長編初のイリヤ・ナイシュラー、数人のキャラクターとして出没するジミーを「第9地区」「特攻野郎Aチーム」のシャルと・コプリーが演じる。全編POV(ポイントビュー)で作られた実験的側面もある作品。



ヴァイオレンス度★★★★★

アドレナリン度★★★★★




<感想>

いやーーー、やっと見れました。

劇場公開を見逃し、レンタルもチェックしてきたんですがついに見ることができました。1年半ほど前、米国の公開に合わせてYoutubeにアップされたカーチェイスのシーンを見て、思わず椅子から飛びあがり天井に頭をぶつけながら(明らかなウソ)「こりゃスッゲーぞ」と叫んで興奮したものです。しかし、そのシーンがあまりに凄かったため、変に満足してしまったというか、見た気になってしまったということでw、劇場公開をスルーしてしまった訳です。が、


見る前から「このぐらいの映画でしょ!」て思い込むのはほんと良くない(反省!!


これは劇場にいかなかったのを激しく後悔!!これは映画館で見たらテンションアガりすぎて、何しでかすか分かんなかったですよw(アカンがな)


もうね、全編ハイテンション、全編アクション、全編ヴァイオレンス!

軽快な音楽に乗せて悪党供をみ・な・ご・ろ・し☆これは観客への完全なるお・も・て・な・し!ウルトラヴァイオレンスでありながら、笑っちゃうくらいのありえなさ具合によって嫌悪感を抱かないという絶妙のバランス。しかも、全編POV(ポイントオブビュー)主観映像で体感させられちゃうってんだからw、たまらんです。また、POVの問題点の配慮、イカしたアイデアの数々、創意と意欲が滲み出す愛らしい一作になってます。



↓↓↓これがカーアクションシーケンスだ!!↓↓↓

この短いシーケンスに嫉妬するほどのアイデアてんこ盛り。


動画からも分かる通り、今作は全編POV(ポイントオブビュー)という主観映像のみで描かれます。ゲームで言えばFPS(ファーストパーソンシューティング)ってやつです。POVと言いますと、一時期「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」ですとか「クローバー・フィールド」とか「REC」などが話題になりましたが、それらはビデオカメラで撮影された設定の作品であって、今作の完全主観というのはありそうでなかった、珍しい作品なのです。映画に反し、FPSゲームの歴史は長く初めて製作されたのは1991年。FPSという形式を定着させた大ヒットゲーム「DOOM」が発売されたのは1993年!そこからFPSゲームはいわゆる洋ゲーの主流になっていった訳ですが、なぜゲームと映画、影響を相互に与える関係にある中で、このような主観のみの映画が制作されなかったというと、



ぶっちゃけ映画に向いてない



からですw。

POVの一番の問題は、見てる側へ動きに対してのシンクロがずば抜けて高いのに対して、感情移入がしにくいところです。POVでは主人公の容姿が見れないどころか、どういう人物でどういうキャラクターなのかも分かりません。また、情報も主人公の視点以外のものがなく、状況、環境、目的にいたるものまで誰かに説明をしてもらう必要があり、説明過多になりがち。となると没入感こそリアルに表現できれど、映画的なストーリーテリングができない=じゃあ、ゲームやってた方がいいよね〜。そだね〜。と、誰もが思ってた訳です。


が、イリヤ・ナイシュラーやってくれました。

この映画を成立させるために、ストーリー、演出、撮影方法、全てを研究し尽くしてます。まず、上の感情移入できない問題ですが、主人公の記憶がないところからのスタート&全編話す事ができないという設定によって移入しやすくしています。また、ドラマ部分は最小限に抑え、アクションをメインに!説明シーンも飽きないように工夫されています。


飽きさせないと言えば、メインのアクションシーンはほんと飽きさせません。予想外の展開、いたるところを飛び回り、あらゆる方法で敵を倒して行きます。またこれらが、スピーディーな編集で繋がれるため、次から次へと飽きません。これも、本来POVの弱点なはずで、POV本来ワンカットを前提にしてる手法なので、出来事と出来事の間がそのまま映画内の時間となって、テンポ感が悪くしがちです。ですが、今作は右見て、左見たらもつ次の事が展開されていて、すごいDRIVE感覚。最後の50人程を相手にするシーンではそのテンポ感もフルスピードで展開され、頭がパンパンになります。


とまぁ、初の(多分)全編主観映画として、見る価値アリ!

今後、これ以上主観を効果的に用いた作品を作ることができるのかと思うほどです。


ハードコアの原点となった、

監督がやってるバンド、バイティングエルボーズのPVも必見


 
 
 

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Bring it on!!

鑑賞したちょっと変な映画を紹介していきたいと思います。

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